ついに、強みをサクッと見つけられる本が出版されてしまいました。
『世界一やさしい「才能」の見つけ方』という本です。
本書を読むと、強み探しを頑張ってきた人ほどガックリくるはずです。
就活の時期に自己分析をいっぱいやって、診断ツール『ストレングス・ファインダー』に課金して177問の設問に答える。
でも、自分の強みがわかったようでわからない・・・なので、もっと強み探しの沼にハマっていく。
そんな人ほど、本書を読むと、半分は喜び、半分はガッカリするでしょう。
「え、強みってワンパンで見つかっちゃうのね」と。
『世界一やさしい「才能」の見つけ方』とは?
本書は30万部突破のベストセラー『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』の第二弾にあたる本です。
あ、第一弾についても書評を書いていますので、よろしければ。
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【要約・書評】『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』八木 仁平
(出典:https://www.jimpei.net/sekaayri-syohyou) この本で解ける疑問は?
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今回ご紹介する『世界一やさしい「才能」の見つけ方』は、文字通り、自分の才能をカンタンに言語化できる本です。
私なりに本書の学びを1枚にまとめてみたのが、以下の図。
本書によると、才能とは「つい、やってしまうこと」だと定義されています。
つい、長々と話してしまう。
つい、本の世界にのめりこんでしまう。
つい、ネガティブに考えてしまう。
つい、楽観的に考えてしまう。
これらは、いずれも筆者に言わせれば「才能」だと。
才能を語るうえでの、2つの方程式
そして、才能を語るうえで、おさえておくべき方程式が2つあるそうです。
1つ目は「短所←才能→長所」という方程式。
才能は短所と長所両方の側面を持っている、ということです。
例えば、「才能=新しいことを次々と学びたくなる」だとすると、「長所=最先端のテクノロジーもキャッチアップできる」「短所=どうしても広く浅い知識になりがち」の両方になりえます。
2つ目は「才能×スキル・知識=強み」という方程式。
この方程式については、筆者がビックリするくらいわかりやすい解説をしてくれています。
例えば仮に、ピカチュウが「はっぱカッター」という、葉っぱで相手を傷つける技を身につけようとするところをイメージしてみてください。「なんか大変そうだな…」と思いませんでしたか?
そうなんです。自分のタイプに合っていない技を身につけるのは大変です。
(中略)
実はポケモンの世界では自分の持っているタイプと同じ技をつかえば、技の威力が1.5倍になるという仕組みがあります(でんきタイプのピカチュウの場合、でんき技をつかえば1.5倍)。そして、この仕組みはポケモンの世界だけでなく、人間の世界でも同じです。
『世界一やさしい「才能」の見つけ方』p82より
つまり、先ほどの方程式「才能×スキル・知識=強み」にしたがうと、ピカチュウの才能は「でんきタイプ」で、スキルは「10万ボルト(などの電気の技)」です。
このイメージに沿って、自分は何タイプで、どんな技を身につければ、どんな強みが導き出せそうか?・・・と考えていけば、確からしい強みが見つかりそうです。
本書の3つの技術を参考に、自分の「才能」を言語化してみた
では、本書のキーワードである「才能」をどうやって見つければよいのか?
本書では、次の3つの技術が紹介されていました。
- 5つの質問に答える
- 1000のリストから選ぶ→私は代わりに、この前行ったストレングス・ファインダーを使うことにしました
- 他人に聞く
5つの質問に答えてみた
本書では、以下の5つの質問が紹介されていました。
- 他人にイラっとすることは?
- 親/先生によく注意されることは?
- やっちゃダメだと禁止されると辛いことは?
- あなたの短所を「だからこそ」で言い換えると、どうなるか?
- 他人は嫌がるが、自分には楽しいと思えることは何か?
いずれも練りに練られた質問ですね。順に答えてみましょう。
まずは1つ目の「他人にイラっとすることは?」について。
- 話や文章が長かったりわかりづらかったりすると、イライラする
- わかりにくいグチャっとした資料を見ると、イライラする
- 自分の頭で考えずにオープンクエスチョンされると、イライラする
- 納期の意識がない人を見かけると、イライラする
- 「ないより、あったほうがいい」という謎ロジックで意思決定する人を見かけると、イライラする
- 仕事を「作業脳」で何の目的意識も持たずにやっている人を見かけると、イライラする
- 「若者はXXX」みたいな謎持論を展開する人を見かけると、イライラする
- etc
・・・1つ目の質問だけで、無限に書けそうです。これくらいにしておいましょう。
残りの4つの質問も気になるのですが、1つ目の質問で、なんとなく自分が大事にしているキーワードが見えてした。
それは「ロジックの美しさへのこだわり」です。
- 目的と手段が整合していること
- 話す・書く内容が必要十分な量で整理されていること
こんなことを、無意識のもと大切にしているんだなと、改めて気づかされました。
才能のキーワードを拾ってみた
5つの質問に答えたあとは、本の巻末についている「1000の才能リスト」からピンとくるキーワードを選んでいく・・・これが、本書に書かれていた正規の方法です。
ただ、才能を表現するキーワードを拾うことが目的なので、私は以前やってみたストレングスファインダーを使ってみることに。
①達成欲
②戦略性
③親密性
④分析思考
⑤学習欲
確かに、これらのキーワードを使いつつ、先ほど答えた質問も加味してみると、自分の才能を言語化しやすくなりますね。
そういえば、以前、ストレングスファインダーの診断結果を使って、「自分オリジナルの才能のエコシステム」を作ってみたのを思い出しました。
この図も、今回の『世界一やさしい「才能」の見つけ方』での学びを踏まえて、加筆してみようかと。
このエコシステムの作り方が気になる方は、こちらの記事もご覧ください。
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【自分の「資質のエコシステム」を書いてみた】『ストレングス・ファインダー』を読んでみて
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去年会社でやった360度評価も見てみた
本書で紹介されていた「才能を見つける3つの技術」の3つ目は、「他人に聞く」。
他人に聞いていくなかで「がんばっているつもりではないのに、褒められたこと」があれば、それが才能だと、本書は教えてくれます。
そこで、去年会社でやった360度評価を眺めてみることに。
他人から見た自分の姿が書かれているわけですから、まさに「がんばっているつもりではないのに、褒められたこと」を見つけるのにうってつけです。
すると、こんなことが書かれていました。
「自己研鑽の量がえげつない。インプットとアウトプットの量が半端ない。変態である」
はたから見ると「年間300冊読んで、ブログにアウトプットをする」という姿は、変態にうつったそうです。
しかし、私としては、ビジネス書は漫画と同じ感覚で読んでいますし、ブログにまとめる行為もプラモデルを組み立てる感覚。ただの娯楽です。
本書でいう「つい、やってしまうこと」に該当するのでしょう。
・・・と、こんな感じで、本書で紹介されていた方法論をちょっと試すだけでも、自分の才能の輪郭が見えてきます。
才能や強み探しをサクッと完結させる、本当に素晴らしい本だと思います。